プロフィール
初めに
まさかこんなにAI(人工知能)の進歩が速いなどと思っていなかった筆者は、驚きと共にその進歩の速さの度合いを知りたいと思いました。今現時点で、何ができるのか?AI(人工知能)の将来はどこに到達点を求めているのか?そこが現在の筆者の最大の興味となります。
AI(人工知能)の進歩を肌で感じたのは、最強の囲碁のソフトの出現でした。さらにGoogleの検索システムがAI(人工知能)を用いていると知り、そのアルゴリズムの土台を知る、あるいは予見できれば幸いであると思っています。
使命(生きがい)
筆者は、現在60歳に手が届こうかという年齢に達しています。若い頃にはSEを職としていましたが、徐々に巡回セールスマン問題を解くことに興味が移り、SEという職は生活のために手っ取り早くお金を得る手段に過ぎなくなっていきました。
SEという職を数年続ける中に、筆者にはある1つの汎用システムを作りたいという夢が生まれました。そのシステムとは、パソコンで地図システムを作ることでしたが、当時のパソコンの性能はCPUインテル8086の20Mz、実装メモリは最大に拡張して2Mという現在では考えられないほど劣悪なものだったため、快適にパソコン上で地図システムを動作させることは、不可能であるといわれていました。
筆者は、現存のハードウエアの性能を最大限に引き出すため、多くの書籍等をあたり、快適な動作を求めるため懸命な追及をしていきました。処理速度に直結するプログラムコードはアセンブラ言語、またはマシン語で実装しましたが、期待する速度には到底達しませんでした。
その中、ハードウエアの問題と同時に進めていたアルゴリズムの改良に取り組むようになったのですが、どのような書籍を漁っても有益な情報は得られませんでした。情報を得ることができない理由を後に知ることになり巡回セールスマン問題との出会いはこの時が始まりだったと思っています。
システムの最大の問題は、膨大な点と線分からユーザが望む画面(つまり矩形)に素早く点と線分を抽出(切り取り)表示させることです。点に関しては、半年ぐらいで解決しました。現在では、専門の方には常識だと思われる4分木を用いたのです。当時筆者はそのアルゴリズムに象限分割法という名前をつけて、少々(あるいは多分に)浮かれていました。ところが、線分については美しいアルゴリズムがみつかりません。筆者は、このアルゴリズムを構築することが、使命であると思うようになっていきました。
不本意なシステム
ある時、ある法人から高速の専用CADを求めているという話が筆者のところに舞い込みました。その専用CADの開発は日本中のあらゆる開発者(法人を含んで)が不可能だと言って手を引いているということだったと記憶しています。筆者にとってもクライアントの要求を全てのむことは不可能でした。思うのは「線分抽出のアルゴリズムが完成していれば」ということでしたが、できないものはできません。
開発を引き受けると即答することはできず、その日からクライアントの要望書とにらめっこしながら、各種のベンチマークテストを行い、部分的にできる/できないを洗い出し、できない部分を現実的な手法で回避し、クライアントとの妥協点を見つけ出して、クライアントからゴーサインをもらいました。
結果、2年ほどの開発期間を経て実用に成功しました。やや(とても?)自慢になりますが、システムの設計からコーディングまで筆者一人で行ったのですが、筆者の気持ちは晴れ晴れしたものではありませんでした。この時、筆者28歳~30歳ころのことでした。
巡回セールスマン問題との出会い
その後、筆者はアルゴリズムを追い続け、やがて巡回セールスマン問題と出会うことになります。
線分の矩形への線分抽出(正確な問題名はわかりません)と巡回セールスマン問題は筆者の直感の中で、類似する問題だと信じるようになっていきました。つまり、わたしの追い求めていたアルゴリズムはその時(現在でも)世界中で未解決の問題だったのです。
50歳の頃ですが、筆者は巡回セールスマン問題の解法(厳密解)を得ることに成功しました。いえ、
巡回セールスマン問題の性質の一部をみつけたのだと今は思っています。ところが、理由は後述しますが、その解法を検証するどころか、プログラムのコーディングが1行もできなくなってしまいました。恐ろしいのです。得体のしれない恐怖がおそってきて、パソコンを立ち上げて、C++のIDEも開けるのですが、その後は指が全く動かなくなるのです。
病
西暦何年ころのことでしょうか?当時、都内近郊で職を持っていた筆者は、全身を襲う痛みと発狂したくなるような精神状態から田舎の実家に居を移すことになりました。実家に戻ってから1年くらいしてからだと思います。医者から「アルコール依存症ですね」と告げられました。その時、何を思ったかと言うと、「まさか」ということと「これで体調不良の原因がわかった」という2つの相反する絶望と安心感でした。
医者に聞いてみると、アルコール依存症は一生治らない病だそうです。特効薬もなく、唯一生きていくための方法は、「断酒」つまり、一生お酒を飲まないということだけだそうです。アルコール毒は、違法薬物と同等かそれ以上の依存性を持っているそうです。苦しみは3年ほど続きました。
幸い、病院での検査も異常なしと言われ、5年以上が経過しました。ところが、記憶に自信を失うことが度々起こるようになりました。何をしたか?何が起こったか?は覚えているつもりなのに、いつのことだったか?不確かなのです。さらに、突然記憶が呼び起こされることがあります。これは、失った記憶があるのではないかという不安に繋がります。
2年ちかく前だと思っていますが、追い打ちをかけるように巡回セールスマン問題に関しての記憶が曖昧になったことがあります。幸い、2018年の暮くらいから記憶が蘇り、巡回セールスマン問題を追い求めることが一時的であれ可能になったと思っています。得体のしれない恐怖はまだ続いています。克服できるか否かはわかりませんが、親のことは忘れても巡回セールスマン問題のことは忘れないようにしたいと思っています。
こんな筆者は親不孝でしょうか?
今後のテーマ
① 自分の考案した巡回セールスマン問題の解法(あるいは性質)を検証すること
② AIは、巡回セールスマン問題を解けるか?
ということを今後の使命(生きがい)にしたいと思っています。